エピクロス先生のやさしいテトラファルマコス

1. かみさまをこわがらなくていいんだよ

ねえ、かみさまが見てるから、おこられるかもって思うことあるかい?
でもね、かみさまがほんとうにいるとしても、とてもやさしくて、おだやかな存在なんだよ。
人のする小さなまちがいに、おこったり、ばちをあたえたりはしないんだ。
天のうえから、しずかに見まもっているだけで、こわい目ではにらまない。
だから、「てんばつがふる」なんて言葉で、おびえることはないんだよ。

だいじなのは、こわいからじゃなくて、「これはよいことかな?」って、
自分のこころで考えることなんだ。やさしい気もちでいられるなら、それでいい。
そらをこわがらずに、あおいひかりを楽しんでごらん。
びくびくしなくても、君はじゅうぶんいい子なんだからね。


2. しぬことをこわがらなくていいんだよ

「しぬのって、こわいな」って思ったこと、あるよね。
でもね、しぬっていうのは「なにもかんじなくなること」なんだ。
ぼくたちが生きているあいだは、しは来ない。しが来るころには、もうぼくたちはいない。
だから、しとぼくたちは、けっして会うことがないんだよ。

たとえば、よるぐっすりねむって、なにも夢を見なかったとき──
しぬって、それとちょっとにてるかもしれないね。
だから、しぬことをあまりこわがらなくていいよ。

それよりも、いま生きてるってことのすばらしさを感じてごらん。
おいしいものや、たのしい時間をたいせつにしよう。
それが、ぼくたちにできるいちばんすてきな生き方なんだ。

3. たいせつなものは すぐそばにあるんだよ

「もっとすごいものがあれば、もっとしあわせになれるのに」って思うとき、あるよね。
でもね、ほんとうにたいせつなものって、じつはとても近くにあるんだよ。

たとえば、あたたかいごはんや、やさしい声、いっしょに笑ってくれる友だち。
そんな何気ない時間こそ、こころがほっとするしあわせなんだ。

わたしはいつも言っているよ。「よいものは、かんたんに手に入る」って。
たくさん持つことよりも、「これでじゅうぶん」と思えるこころがいちばんたいせつなんだ。

だからね、そばにある小さなよろこびを、ちゃんと見つけてあげてね。
それだけで、しあわせはいつも君のとなりにあるんだよ。


4. つらいことも、すこしずつすぎていくんだよ

つらいことがあると、「このままずっとつづいたらどうしよう」って思うよね。
でもね、どんなくるしみも、ながくはつづかないんだ。
いたみがつよいときは、たいていすぐおわるし、ながくつづくときは、だんだんなれてくる。

それに、つらいときは、だれかに話してもいいんだよ。
友だちでも、家の人でも、「つらいんだ」って言ってごらん。
そのひとことだけで、こころがすこしやわらかくなるんだ。

わたしも、びょうきのときに、友の言葉でほっとしたことがあったよ。
くるしみは、君のせいじゃないし、君をこわすものでもない。
それは、すこしずつ、かならずすぎていくんだよ。


終わりに:

「テトラファルマコスを児童向けに書いてくれ」
🤖「アイアイサー!」
でできたのが上記(画像もAI出力)
おもったよりいい感じなので公開してみた。

短くまとめると以下のような教義。

  1. 神々を恐れるな (μηδὲν δεῖ φοβεῖσθαι θεούς):
    神々は人間の幸福や不幸に干渉しないため、恐れる必要はない。

  2. 死を恐れるな (μηδὲν δεῖ θαυμάζειν θάνατον):
    死は感覚の喪失であり、苦痛を伴うものではないため、恐れる必要はない。

  3. 善は容易に得られる (τὸ ἀγαθὸν ἔγγυς ἐστίν):
    幸福は、欲望をコントロールし、自然なものを求めることで容易に得られる。

  4. 悪は容易に耐えられる (τὸ κακὸν εὐλύπητον):
    苦痛は一時的なものであり、長くは続かないため、耐え忍ぶことができる。

仏教やアナキズム、個人主義やペシミズムに触れていく中で、
「やっぱりエピクロス先生がいちばん偉大だよな」
と思うことが多い。

「生きることが確実に楽になる」
という意味で、この4つの教えはたしかに「薬」なのだと思う。